2014年8月8日金曜日

健康診断のはなし②

 今日は以前お話した健康診断の各項目について(一般身体検査、血液検査、糞便検査、尿検査、体脂肪率測定)お話ししたいと思います。

一般身体検査
  視診:視診では目でワンちゃんを見ることによって、視覚的に分かることがないか、
      確認します。口や目の粘膜色、皮膚に湿疹がないかなどを検査します。

  触診:触診ではワンちゃんを手指で触れることによって、触覚的に分かることが
      ないか、確認します。皮膚に出来物がないか、また、お腹の中の方を
      外側から触って異常はないかなども見ます。

  聴診:聴診では聴診器を使ってワンちゃんの心音、腸の動く音などを検査します。
  
  その他:体重、体温測定

血液検査
     血液検査では肝臓の機能、腎臓の機能、血糖値、貧血はないかなどが分かり
     ます。たとえば腎臓が悪くなるとBUN(血中尿素窒素)という腎臓の機能を
     表す数値が上がってきます。
             ←血液検査の検査機器です


糞便検査
     回虫や鞭虫といった寄生虫に感染していないかどうかが分かります。
     また、パルボウィルス感染症にかかってないかどうかも調べます。
 
尿検査
     尿沈さ:尿を遠心分離して、尿中の細胞成分を観察します。たとえば血尿が
          あると赤血球、腎臓に異常が起こると腎臓の細胞が剥がれて尿沈さ
          中に見えてきます。
     尿試験紙検査:昔習ったリトマス試験紙のようなものを使って尿のpH、尿糖、
               尿タンパク、潜血反応などを検査します。

        
              ↑                    ↑   
         尿検査試験紙           色の変化を見比べます


体脂肪率測定
     体脂肪率を測定します。肥満ではないか、やせすぎではないか分かります。
     ワンコも人と一緒です。ワンちゃんたちの平均は25%
                ←体脂肪率測定器
 
        
    以上、今回は健康診断の各項目についてお話しました。このように、一度の
  健康診断でいろんなことが分かってきますし、もしも、症状として現れていなくても
  異常があれば、悪くなる前に気づくこともあるかもしれません。みなさんの愛犬たちも
  健康診断で細かく、今まで以上に奥深く検査してもらってみてはいかがでしょうか。


                                   獣医師・伊礼

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